鶴岡の食文化を紡ぐ人々

No.003   〜桃〜
 
農業組合法人松ヶ岡農場 代表理事 古野嵩恒さん

山形県では、サクランボ、ラフランスをはじめ、フルーツが有名ですが、ここ鶴岡でもおいしいフルーツがたくさん収穫されます。
今の時期は、ブルーベリー、メロン、すいか、桃など盛りだくさん。
私が桃好きなので、桃農家さんを訪ねてみました。
 
 
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暑い暑いこの時期、作物にうれしい太陽の光がふりそそぐこの季節、いつものことながら農家の方々は忙しいのです。
間もなく桃の最初の収穫を迎えるという7月23日に松ヶ岡農場に伺いました。
お話をして下さったのは、代表理事の古野さん。

 「松ヶ岡農場のことを話す前に、まずは松ヶ岡の歴史について知らなくては」と歴史について教えていただきました。
 
松ヶ岡は、明治維新のころ、武士3000名が刀を鍬に持ち替えて、原生林の開墾をした場所なのです。
開墾140年の歴史をもつ松ヶ岡は、当初、養蚕業で栄え、蚕のえさとなる桑畑が広がる地でした。(話がそれますが、鶴岡は養蚕から絹織までの絹の一貫工程が今も残る全国唯一の場所でもあるのです。)
 
時が流れ、養蚕業の分業が進み、蚕のたねをとる(卵をとる)作業が中心となったため、桑の量がそれほど必要なくなり、その空いた畑からまずは庄内柿、次いで桃の栽培が始まりました。


そして、いよいよ桃のお話です。
松ヶ岡で桃栽培を始められたのは、29年前のこと。
数あるフルーツの中から桃を選択した理由は3つ。
古野さんも選択に関わられたこともあり、とても明快なお答えが返ってきました。
 
○桃栗3年柿8年のことわざどおり、桃は、植えつけしてから、早く収量が得られること。
○当時から栽培していた庄内柿の収穫時期(10月くらい)に重ならないこと。
○収穫時期(おもに8月)に鶴岡の気候が安定している(晴天が多い)こと。

さらに、おいしい桃の条件として、土壌の排水がよいことがあげられます。

松ヶ岡の土壌は、月山の火山泥流が含まれます。
これはお米作りで名を誇る庄内平野の土壌とは異なるものです。(庄内平野は赤川沖積土壌)
 
この火山灰土壌は肥沃ではないけれど、排水性が高く、おいしい桃や柿、サツマイモなどを育てるには最適なのです。
 
鶴岡市は、東北第一の面積を誇るため、海や山や里があり、作物の数が豊富だと前々から感じてましたが、こういった土壌成分の違いも、多種多様な鶴岡のおいしい作物を生み出している所以なんですね。


桃がおいしくなる条件に恵まれた松ヶ岡ですが、ご苦労もあるようです。
 
鶴岡は日本海側に面し、風が強い土地です。
この風が桃の大敵。
松ヶ岡は海から離れていますが、それでも風が強い日があり、そんな日が続くと「せん孔細菌病」にかかってしまいます。
葉が点々と穴が開き、ひどくなると、葉が落ちてしまうので、おいしい実ができず、大損害となるのです。桃栽培を始めた頃は、試行錯誤の連続だったそうです。
 


また、桃の寿命は20年。
当初植えた木は寿命を迎え、新しい苗を植えつけています。
ところが冬の食べ物のない時期に、ネズミが木をかじり、木の生育を阻みます。
 
29年前に植えた時には、食べなかったのに、ネズミも味を覚えたのか、桃の木をかじるようになってしまったと古野さんは嘆いておられました。
 
 
下の写真は、ネズミ除けのネットを幹に巻きつけた桃の様子。

桃の畑には、薄紅色に色づいたおいしそうな桃がいっぱい。(この日は7月23日)
 「もう食べられそうですね」と思わずつぶやくと、
古野さんのお答えは「まだ完熟してないよ。」
プロの目は厳しいですね。
 
 
上の写真にご注目。
桃(品種:暁星)の中央がうっすら緑色。
この緑色がとれると完熟のサインなんだそうです。
収穫は7月27日からの予定ですが、完熟するか微妙なところだそう。


袋かけをせず、日の光ををいっぱい受け、甘みを蓄えた桃は、一つ一つ完熟を見極められ、大切に手もぎで収穫されます。
今まさに旬の桃をぜひ味わってみてはいかがでしょう?
  
仕事がご趣味とおっしゃる古野さん。
松ヶ岡を開墾した武士の子孫でらっしゃいます。
私の勝手な妄想ですが、折り目正しく明快で、松ヶ岡の地をこよなく愛する古野さんのお姿が松ヶ岡をひたむきに開墾した武士の面影と重なるのでした。
 

桃のお好みの堅さって人それぞれ。
堅い桃がお好きな方は、採れたての松ヶ岡の桃がおすすめです。
堅めですが、しっかり完熟を見極めた桃は、薫り高く甘いです。
7月末から「暁星(ぎょうせい)」「あかつき」「まどか」「紅錦香(くにか)」の順に9月初めまで楽しめます。
品種によって特性が異なるので、時期によって桃の味の移り変わりをお楽しみください。

収穫時期

7月末から9月初め
買えるところ  松ヶ岡農場
TEL:0235-62-2173

ひょうたん
TEL:0235-62-2928
 
※時期によって取り揃えがない場合もあるので、事前に電話で確認されるのがおすすめです。

おすすめの食べ方

古野さんのおすすめは、そのまま常温でいただくこと。甘さがはっきり感じられるそうです。
冷たいのがお好きな方は、冷蔵庫で冷やすのは2-3日を上限に。
7日以上冷やすと甘さが飛んでしまうそうです。ご注意を!
 
 


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