鶴岡の食文化を紡ぐ人々

No.026 〜ブルーベリー〜
 
月山高原 鈴木農園代表 鈴木繁治さん

月山高原ブルーベリー

月山高原に東京ドーム2.5倍分の広大な農地のブルーベリー畑があります。36年前にはブルーベリーを見たことも触ったこともなかった鈴木繁治さんが日本一のブルーベリー園にするまでのお話を伺ってきました。

 月山高原の標高250メートル前後にある鈴木農園は東京ドームおよそ2.5倍分の面積に1万本のブルーベリーを栽培しています。
 
 鈴木繁治さんは3代目。初代の鈴木さんの祖父は米を作る傍ら、ずっと炭焼きで生計を立ててきました。その祖父が炭焼きをしながら、果樹栽培に注目し、当時からりんご、和梨、洋梨、葡萄などいろいろな果樹を作っていました。
 
 今から36年前となる昭和53年は、農業の減反政策が始まってしばらくした頃で、鈴木さんは転作に何か良いものはないかと探していました。当時の羽黒町農協に相談したところ、ブルーベリーはどうかと薦められました。しかし、ブルーベリーなんて見たことも触ったことも食べたこともなかったという鈴木さん。仲間4〜5人で、長野県信濃町野尻にある伊藤国治さんのブルーベリー農園に視察に行きました。伊藤さんはブルーベリーを一番初めに栽培していたという人で、当時ブルーベリーの栽培農家は、長野県でも伊藤さんの農園1軒だけでした。

 

 鈴木さんは、そこで可憐なブルーベリーと出会い一目惚れをしてしまいました。伊藤さんからいろいろな話を聞き、ブルーベリーは強酸性の土地を選ぶということを知り、早速羽黒に戻り、自分の畑の土壌のpHを調べたところ「これはいけそうだ」と実感しました。
 
 しかし、栽培方法を聞くために園芸試験場に足を運んだものの、当時山形県でブルーベリーの栽培実績はありませんでした。そこで何もわからないことだらけの鈴木さんは、長野の伊藤さんの農園に何度も足を運びました。仕事が終わってから夕方、車で長野に向かい深夜2?3時に着き、少し仮眠をとってから伊藤さんの農場に行きます。作業を手伝いながら、根掘り葉掘り伊藤さんに聞いてみたという鈴木さん。「始めは、何も教えてくれなくて、庄内から日本海の美味しい魚を持っていったりしたんだよ。(笑)」 
 


東京ドーム2.5倍分の広さのブルーベリー畑

翌年に5種類のブルーベリー1,000本の栽培を始めました。
「いきなり千本ですか?」
「2、3本だった本気になれないし、ある程度の本数を植えないとダメだと思い1,000本から始めました。」 最初の4〜5年は収量が得られませんでしたが、それでも長野で聞いてきたことを仲間に提供しながら、羽黒農協の中にブルーベリー栽培研究会という組織を作り、勉強会を開き、はじめは生食だけ販売しました。
そして徐々に栽培面積、本数を増やし、現在では約40種類、1万本を栽培するところまでに至っています。
 
鈴木農園の土は広い農園にたっぷりのバーク堆肥とピートモスなど有機肥料を専用の機械でかき混ぜ、土に奥深くまで酸素を通しています。またブルーベリーの根ができるだけ奥深く張るようにすると、月山の伏流水のおかげで夏の水かけがいらないというのも特徴のひとつです。

現在は約40種のブルーベリーを栽培しています

 ブルーベリーの収穫量が年々増えると、雨が降れば収穫できず、適期収穫できない場合もあったことから、生食だけでなく加工もしようと考えました。まず、加工技術を取得するために平成元年に県の工業試験場に3ヶ月通いました。そこで衛生面を始めとする加工技術を取得しました。当時はまだお金もなかったので、加工所も作れず、まだまだ勉強することが多かったといいます。それでも平成7年には、加工所を作り、ジュースとジャムの販売を始めました。
 
 

 


 また、平成6年に日本ブルーベリー協会という全国組織が発足し、年に3?4回位の勉強会が東京で開催され、鈴木さんは欠かさず出席し、東京農工大の先生方との交流を深め、勉強してきました。鈴木さんは協会の副会長を仰せつかり、全国の会員の皆さんとも交流を深めてきました。
 

鈴木さんには考えには三つの柱がありました。
 
① 専業経営の確立。いいものでは片手間ではできない。基盤がないとだめである。
② 他にないものを地元の特産にしよう。
③ どうせやるなら日本一の農園を作りたい。
 
「ブルーベリーに一目惚れしたんだよ。からだに良い健康食品だしね。先代の祖父がそうであったように、自分には人がやらないことをやりたいという好奇心があったのだと思います。ここまで来るのには自分一人の力だけでなく、農協や町、市、県の行政の御協力、友人達の協力そして家族の支えがあったからだといつも感謝の気持ちを忘れないようにしています。やっぱり、好きでなければやれない。苦労は一杯あったが、苦労とは思わないんだよ。それは好きだからなんだなあ。」
 
 
鈴木さんは、農家は先祖が作ってきたものを後世へ伝えていかなくてはいけないと考えています。今は息子さんとお孫さんの3世代でやっています。
 
「私たちは何といってもお客様あっての生産者ですので、安全、安心はもちろんですが、いかにお客様に喜んでいただけるものを作る事が一番の原点であります。そしてこれからは、他の人にも、ブルーベリー栽培士の資格をとってもらい技術の後継をしていきたい。いかに糖度の高い美味しいブルーベリーを作るか、その技術を繋いでいきたいです。」鈴木さんの思いは次世代へ続いています。


鈴木農園のHP:http://www.suzukihaguro.com/
 
 
(文・写真 俵谷敦子)

ブルーベリー


ブルーベリーにはアントシアニンが豊富に含まれており、他にもビタミンC、ビタミンE,、ポリフェノールが多く含まれています。
 
販売
時期   
7月〜8月上旬
買えるところ
月山高原・鈴木農園
 
鶴岡市羽黒町上野新田字上台80
 
TEL・FAX 0235-62-4042
 

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