女性リポーター

vol.006 【平成27年11月始動】あば漬け復活プロジェクト

平成27年11月11日/平成28年1月14日

「あば漬け」という漬物をご存知でしょうか。「あば=おばあさん」。古く江戸時代から平成に入る頃まで、温海地域を中心に親しまれていた、在来のカブを使った幻の漬物です。 今回は、30年前途絶えてしまったこのあば漬を復活させよう!というプロジェクトを湯田川温泉の旅館で開催しました。各家庭によってレシピは様々のようですが、今回は在来の藤沢カブを、渋柿・ヤマブドウの皮・小糠・味噌水で漬けるという目にも鮮やかなレシピを教えて頂きました。

あば漬け復活プロジェクト参加者

女将さんのご指導のもと
30年ぶりの漬込み
藤沢カブと柿とヤマブドウ搾りかす
目にも鮮やかな漬込み作業

最後に水に溶いた味噌を投入

あば漬け完成!(約2か月)

今回は暖冬ということもあり
発酵が進んでしまいました…。
レシピの公開

体験報告1

リポーター
伊藤 和佳さん
「あば漬け」は今まで聞いたこともなく、私の周りの方々に聞いても、はっきり答えられる方もいなかったので、味の想像もできず、庄内に本当にこのような漬物があるのかと不思議な気持ちでいました。
まず、漬ける会では、座学による平先生のお話しを訊いて改めて庄内の柿やカブの魅力を確認しました。在来品種が多くある鶴岡ならではの漬物なのかと思いました。そして「ますや旅館」の女将さんによるご指導の下、漬け込み実習を行いましたが、まさかこんなに色々なものが入るとは考えておりませんでした。かぶ、塩、米ぬか、渋柿、ヤマブドウ、砂糖の順で樽に敷き詰め、最後に水で溶いた味噌を溢れるほど樽に入れた様子は忘れられません。見れば見るほど、実際に漬けてみても味の想像が出来ませんでした。
漬ける会の様子が新聞に載り、関心がなかった周りの方々から様々な反応がありました。「昔そんなのがあったかも」、「味は?」「ぬか漬けとは違うのか?」など、色々な年代、地域の方々と盛り上がりました。
待ちに待った2か月後、「食べる会」の日がやってきました。漬け樽を開けた時の、あのつけ汁の色といったら!ただただ驚いて写真を撮ってしまいました。まず一切れを口にした時の不思議な味、複雑ではじめての味でした。今年は暖冬で発酵が進んでしまったかもと女将さんも話していましたが、昔とは気候も材料も違うでしょうが、これが私たちの時代の漬物、私たちが漬けた「あば漬け2016年の味」。これは、意味のあることだと思います。そして、この復活した味を終わらせないよう次世代へ渡していきたいと思います。そんな幻を味わえて鶴岡の在来作物の素晴らしさを感じた会でした。

体験報告2

リポーター
今野 佳代子さん
私は青森出身のため、あば漬けのことを全く知らないまま復活プロジェクトに参加しましたが、漬物にヤマブドウの皮、渋柿を一緒に漬け込むという、青森地方にはない漬け方に驚きました。また、渋柿のタンニンには抗菌効果があり、長期保存のために入れていたかもしれないということを知り、昔の人々の知恵が詰まった漬物なのだと感動しました。
試食会では、初めて食べる漬物なので美味しいのかという判断はできませんでしたが、今までに食べたことのない味でした。ヤマブドウの皮を入れているためか少しワイン風味で、ご飯もさることながら、お酒のおつまみになる味だと感じました。あば漬け復活プロジェクトは、味の継承をして行く上で、重要な試みだったと思います。
今回の主役、藤沢カブは春に山の木を切り、枝を払い、幹を運ぶ。夏に枝を斜面に広げ焼く。土の熱いうちに種を撒き、収穫する、という高度な栽培技術が必要です。在来のカブあってのあば漬けなので、この栽培技術の後継も必要なことなのだと思います。
このプロジェクトに参加し、庄内の在来作物の栽培技術の後継、食文化の継承が確実に行われることが、鶴岡の食文化の発展に繋がるのではないかと実感しました。

体験報告3

リポーター
梅木 由紀さん
未知のあば漬けを食べたさにこのプロジェクトに参加しました。11月にますや旅館で山形大学の平先生のあば漬けの歴史や使用する材料のお話しをお聞きしてから、女将さんの手ほどきで漬けこみました。2か月後の食べる会を楽しみにしました。
帰宅し、我が家にはほとんどの材料がありましたので、再び漬けてみることにしましたが、ヤマブドウの皮はなく、代わりに米酢を使用しました。1週間後、水があがってきましたので、重石を軽くし12月9日の大黒様のお歳夜の日に神様にあげ、初めて食べてみました。なんとも複雑な味で、薄味な味噌漬けを食べている感じで、ご飯が欲しくなりました。正月には桶に白い膜が張りはじめ、味も発酵したすっぱい味に変化していましたので、これでいいのか不安でした。
食べる会では、女将さんと藤沢カブ農家後藤さんの他に、急遽私のあば漬けも皆様に食べて頂きました。
発酵が進んでいるようで、なんとも言えない、複雑な味であば漬けの奥深さを痛感しました。このプロジェクトは、講義後漬込み実践でしたので、あば漬けのことが良く理解できました。
あば漬けは環境(温度・湿度)に左右されやすく、材料も昔は家にあるものでしたが、今は入手困難なものも多くあり、一般に広めるのは難しいかもしれません。また味もみんなに愛されるあば漬けは難しいように思いました。しかし、こんなに多種多様なのですから、むしろ「わたしのあば漬け」でいいのではないかと思っております。今回だけで終わらず、来年は「私のあば漬け」コンテストを行うなどして、現代に愛される漬物になるようにしていけばいいかと思います。来年も「私のあば漬け」を作ろうと思っています。
事務局後記
かつては当たり前のように各家庭で漬けられていた漬物。それゆえ、漬け方・レシピもそれぞれのお宅で違うものでした。あば漬けもそんな「家庭の味」として発展してきたものです。今回は一例としてレシピを公開しました。これを参考に各ご家庭で好みの味に仕上げてみてはいかがでしょうか。

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