生きた文化財 在来作物
與治兵衛きゅうり
鶴岡市温海小国地区で栽培されている。
養蚕が盛んに行われていた大正時代のはじめ頃、小国の五十嵐與治兵衛家に温海の峠ノ山から婿が来て、その人が養蚕と桑の栽培法に関する先進的な技術を学ぶために、新潟県の村上へ通った。そこかた種をもらい受け、代々門外不出のキュウリとして大切に伝えてきたものである。
(鶴岡市受託研究報告書 2018.3.30 より)
特色
- 長さ20cm余り、太さ7cm程度。半白で白イボ。
- 完熟すると30cm近く、太さはビール瓶くらいになる。
- つる首付近にやや苦味があるが、非常にみずみずしく、濃厚な味と香りを持つ。
- 金沢市の伝統野菜「加賀太キュウリ」やおなじシベリアキュウリ類系統である富山県高岡市在来の「どっこ」に似ている。
- 生食用とお盆の精霊馬として利用されている。
- もろみや味噌をつけて食べたり、なますやサラダで食べてたり生で食べる。
味噌を氷水で溶き、キュウリの薄切りを浮かべた夏の伝統料理「冷や汁」としても食べる。

與治兵衛きゅうり圃場

電気柵

與治兵衛きゅうり

與治兵衛きゅうり
参考資料
「やまがた在来きゅうりのはなし」 山形大学農学部付属なやがたフィールド科学センター