女性リポーター

vol.001 【平成24年1月27日体験】庄内浜の岩ノリ

地元漁師の佐藤さんから岩ノリの話を聞く女性リポーターたち

岩ノリ摘みの現場を見学。
想像以上に大変な作業だと知る。

岩ノリを使った「板ノリ」作りを体験

岩ノリと生ハムの生春巻き

体験報告1

リポーター
大塚 せつ子さん
湯田川温泉の“おかみ乃おへぎ”を始めて以来、食材の現場を含め、生産者との交流の機会が増え、それぞれのご苦労や思いのほどを伺うことでその美味しさの深さを知ることができました。

この度リポーターとして初めての岩ノリ摘み見学と板ノリ体験に興味津々に参加させて頂きました。岩ノリは寒鱈にはずせないもの、しかも高価であるぐらいの認識しか無かったのですが、12月から2月頃までの極寒で荒波を浴びるほどの危険の中での大変な作業を見学し、後継者不足の問題や高価の訳もすぐ納得できました。
目からうろこの初体験を通して、岩ノリ・板ノリのばつぐんの美味しさはもちろん、生産に携わる方々の思いも、特に地元庄内の多くの人々にも知って欲しいと 強く思うとともに、食材に関しての自信と誇りをもってアピールすることで生産者の意欲につながり、更にサポートもできるのではと思うのです。
当湯田川温泉は今年、開湯1300年目に当たります。食を大切にしてきた伝統を守ろうと4年前から“おかみ乃おへぎ”を立ち上げ、好評裏に前進しております。
また昨年より地元の若者たちによる“朝ミュージアム”でひとつの食材に深く入り込み、様々な視点からその価値を見出し、人々の興味を誘い、庄内のすばらしい食の魅力を湯田川から発信しようと取り組みを頑張っております。
お客様に食を提供する立場のひとりとして、自らの体験を通して、ソーシャルメディアによる情報発信の重要性を再認識いたした次第です。

体験報告2

リポーター
俵谷 敦子さん
この冬一番の寒波が来ていたその日、鼠ヶ関漁港に着いた私たちを笑顔で迎えてくださったのは漁師の佐藤さん。摘んだばかりと思われる岩ノリを「ほら食べてみろ。」と差し出してくれた。一口食べてびっくり。繊細な歯ごたえと磯の香りが口の中にぱっと広がった。これが本当の岩ノリなのだ。採れたての岩ノリを食べたのはこれが初めてだった。
岩ノリと言えば冬の庄内浜の味覚の代表、寒鱈汁に入っているものがよく知られている。しかし実はスーパーで売られている乾燥寒ノリの地元産は少なく、本当の地元の岩ノリは高価で普段いただく機会は滅多になかった。
岩ノリがとれるのは1年で一番寒いこの時期。そこは荒波が飛沫を上げて容赦なく押し寄せる場所。
さらに足元の表面はツルツルで滑りやすくとても危険だった。そんな場所で佐藤さんは、人差し指に岩ノリをくるりと巻きつけ、引っ張るように一つ一つ手作業で採っていく。晴れた日より、荒波がかぶって岩場が濡れる方が採りやすいという。寒さと危険の中でなんとも地味な作業であった。1枚の板ノリができるのに必要な量を採るのに一体どれくらいの時間を要するのだろう、ふと思った。
「鶴岡食文化女性リポーター」として実際に磯場に行き、岩ノリ摘みを見学、板ノリ加工を体験し、直接現場の漁師さんの話を聞いて、今まで見えなかった板ノリ1枚の向こうにある世界を初めて見ることができたことはとても貴重な体験であった。そしてこのことをもっと広く皆さんに伝えたいと思った。

体験報告3

リポーター
佐野 陽子さん
庄内で生まれ育った方たちはほとんど皆と言っていいのでは、と思うくらい、海のものに大変詳しい。日々の中で旬の魚介を話題にし、美味しい魚の選び方、とびきり粋なお鮨屋さんも、たくさんご存じです。神奈川育ちの私にとっては、皆さんが楽しそうにおしゃべりする言葉ですらおいしそう。
さてそんな庄内の型でも、美味しい海産物を獲る「人」を、知っている方はさほど多くはないのではないでしょうか。今回鶴岡食文化女性リポーターでは、鼠ヶ関地域協議会・五十嵐一彦さんのご案内のもと、漁師の佐藤準さんに天然のノリ「岩ノリ」をとる様子を取材させていただきました。
荒れ狂う冬の日本海。港にはうっすらと雪も積もり、海はごうごうと鳴り響き白いしぶきを上げていました。
どうしてこんな時期に・・・!とたじろぎましたが、岩ノリは海水の温度が下がるこの時期にしか育たないのだそう。打ちつける波のすぐ傍、佐藤さんは毅然と岩場へ降りてゆき冷製にノリをとりつづけます。指で器用にノリを絡め取り、ぱっぱと手早くざるに入れていきます。道具はいっさい使いません。
そこには普段目にする乾燥剤と一緒になったノリとは別の、生きたノリと人間との命のやりとりがありました。岩ノリが養殖のノリと違って希少なものである所以を、初めて理解した瞬間です。
庄内の恵まれた食材を手にして食せるのは、とる人、つくる人がいるからこそ。感謝を忘れずいっそう大事に、口にします。

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