女性リポーター

vol.003 【平成24年3月4日体験】庄内雛物語

雛人形

雛菓子

菓子職人

雛菓子作り体験

体験報告1

リポーター
佐藤 裕子さん
私が小さい頃に実家で飾っていたのは、今時の雛人形とは全く違う、陶器でできていて所々欠けている古びた雛人形。
それはおばあちゃんが昔からとても大事にしていたもので、雛祭りの季節になると、一体一体新聞紙に大事そうに包んである雛人形たちを、おばあちゃんの節のある手で一枚ずつ丁寧にはがし、子供だった私と妹が手作りの雛壇に飾るのが毎年の慣わしになっていました。
小さい私は、この古いお雛さまが嫌いでした。新しくてきらびやかな友だちの雛人形を見るたび、みすぼらしくて古い自分の雛人形が恥ずかしく、大小合わせて50体ほどの雛人形を飾りながら、お雛さまに対する不満を言ってはおばあちゃんを困らせ、悲しませていたと思います。
この度、鶴岡市の雛街道に参加させていただき、丙申堂や致道博物館で出会った古いお雛さまたちを見ていたら、そんな小さな頃の思い出が次々に蘇ってきて、今さらながらおばあちゃんの雛人形が愛おしく、お雛さまを大切に思う気持ちを私達にも絆ごうとしていたおばあちゃんを思い、申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。
この古いお雛さまたちも、私のように色んな家族の思い出を重ねてきたのでしょうか。 色あせて古びた服や陶器の肌の鄙びた美しさは、歴史を引き継いでいるからこそ、一層人の心を引き付けているような、そんな圧倒的な魅力にあふれていました。

体験報告2

リポーター
高山 祐子さん
庄内で生まれ育った私の家では雛人形と一緒に毎年豪華な雛菓子を飾ります。庄内地方の雛まつりは旧暦では祝うところが多いですが、我が家もその一つです。雛菓子と言うと全国的には雛あられや三色の菱餅ですが鶴岡市をはじめとする庄内地方では練りきりで作った雛菓子が一般的です。
今回初めて雛菓子作りを体験してみました。練りきりは白小豆、砂糖、求肥を混ぜたもの。求肥を入れることで上生菓子のベタっとした食感がでるそうです。鮮やかな色の練りきりは赤キャベツや紅花など自然なもので着色しています。
今回、住吉菓子舗の職人さんから手ほどきを受け早速挑戦。職人さんの手の動きを真似ながら同じように作っているつもりでも職歴28年の経験に不器用な私が同じように出来るわけがなく、なんとも不格好な桜の菓子が出来たのは言うまでもありません。
職人さんの手から生み出される様々な形の雛菓子。二色の練りきりできれいなグラデーションを作ったかと思うとあっと言う間に鯛に形作られている。まるで手品のように。そんな雛菓子を見ていると微笑ましくも温かい気持ちになる。職人さん達がひとつひとつ丁寧に作っている気持ちが入っているからでしょう。現在、鶴岡市内では十店舗ほどで取り扱いされている。時代のニーズに合わせて砂糖などの配合も変わってきているそうです。時代が変わっても進化し輝き続ける鶴岡の伝統文化雛菓子。食材豊かなこの地で守り受け継いでいって欲しいと思います。

体験報告3

リポーター
俵谷 敦子さん
色のない冬が終わりに近づき、桃の節句が近づくと我が子の健やかな成長を願い、お雛さまを飾り、雛菓子を供えます。この雛菓子、一般的には雛あられやひし餅をあげますが、北前船により京の文化を受け継ぐ鶴岡では、野菜や果物、鯛などの縁起物を模った色鮮やかな練切がこの時期お菓子屋さんに並びます。
この度、鶴岡食文化女性リポーターとして娘と一緒に丙申堂にてお雛さまを鑑賞、住吉屋さんのご主人と一緒にこの練切を作りました。材料は白小豆、白インゲン、求肥をつなぎに入れ滑らかな口当たりにしていました。紅花や赤キャベツなどの天然色素で生地に着色します。鯛はめでたい、すくすく育つようにと筍。庄内柿、民田ナスなど地元産物、苺やサクランボなどもありました。その中で特に私たちの目に留まったのが、魚の切り身でした。
不思議に思い伺うと、これはサクラマスで、益々元気という意味に加え、遡上のピークが4月で、長い冬の終わりを告げるように川を遡上するサクラマスを模り、お雛さまに供えることで春の訪れを祝うようになったそうです。そして、これらの雛菓子は菓子職人たちがお互いに刺激し合い、鶴岡独自に進化を遂げてきたそうです。
娘は苺、私は筍を選び、実際に作ってみると意外に難しいのです。菓子職人の細かい技がこのお菓子一つ一つに生かされていることを実感しました。娘と一緒に作った練切を帰宅後、自宅のお雛さまにお供えしました。いつもよりお雛さまも嬉しそうだねと笑顔で話す娘もまたとても嬉しそうでした。

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